東京を中心に埼玉、神奈川、千葉の関東4都県で87店舗を展開している24時間営業の立ち食いそばチェーン「名代 富士そば」。リーマン・ショックの2008年からでも17店舗開店と急成長を続けており、“1日5万食”が出る立ち食いそばトップの企業である。
急成長の理由について、「富士そば」を経営するダイタングループの丹有樹(たん・ゆうき)専務は「変化することに対する恐れは、会社としてはない」との言葉で表現する。
「富士そば」は、1972(昭和47)年、東京・渋谷で創業した。駅の構内にある“駅そば”が常識の時代に駅の外に出店し、立ち食いそばでは日本初の24時間営業を行った。
「駅構内は規制が多く、開店の決定も遅いため駅の前に出店した。24時間営業は、家賃が高いのに(夜間に)閉店している時間がもったいない、深夜も人が歩いているのに、という単純な発想でした」(同)。人通りの多い路面の店で24時間営業という、いまでは当たり前の立ち食い店の業態だが、当時は非常識。あえて踏み切ったことで「富士そば」はヒットする。
88年には、茹で麺から生麺への切り替えを行った。立ち食い店は、短時間で提供するためにあらかじめ製麺所で茹で上げられた麺を、注文を受けた後に短時間湯通しし、熱めのつゆをかけて提供するのが一般的。生麺にすると時間や手間がかかり、設備も変える必要がある。そのため、役員や現場は反対だった。だが、「味で勝負の時代がくる」と創業者の丹道夫社長は決断する。
生麺に変えたことで、それまで落ちていた夏場にザルや盛りそばの需要が生まれた。ザルや盛りそばは回転が速く、業績を大きく伸ばした。
同じころ、椅子を設置する。「皆が忙しく、早く食べることを喜んでいた時代から、立ち食いであってもゆっくりに変わった」(同)ことに応えたものだ。椅子席を設けたことでメニューの幅が広がり、客単価が上がることとなった。
同社はチェーン店でありながら、各店長が自由にメニューを作っている。人気1位のカツ丼も、2002年に当時の水道橋店店長が始め、全体の定番メニューとなった。麺つゆも、日高こんぶと焼津直送のかつお節を使って、毎日各店舗でダシをとる。そのため、基本の作り方は決まっているが店により味が若干違うという。
店長にできるだけ任せ、新しい工夫は「まず やってみろ」(同)。結果がよければ、すぐ全体に採り入れて変化をする。「変化を恐れない」ことは、時流を先取りして成長を続ける同社のヒット力の源泉なのだ。
http://news.www.infoseek.co.jp/topics/business/n_restaurant__20110508_4/story/06fujizak20110506018/
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